フィジカルパッショントリックスター

まるでダメなオタクの戯言

御手洗翔太という男の子の話

SideMを始めて3年が経過してた。えっもう3年なんだ。びっくりした。

既に新人Pでもない立場になってしまった訳ですけど、未だに訊かれると困ってしまうことがあります。

 

「翔太ってどんな子?」

 

わからん。いや本当にわからない。3年経ったけどわかんないあの子。

恐れ多くも翔太の担当Pを名乗ってはいるけど、彼のことは全然理解できてない。むしろこっちが教えてほしい。御手洗翔太ってどんな子に見えますか?でもきっと、その答えを聞いても上手くまとめられないと思う。

それだけ彼は複雑な性格の子だと、個人的には思っています。

 

これはそんな質問を受けたので、「御手洗翔太」という男の子のことを真剣に考えた、とある愛情が重すぎると定評の担当Pの目線でだらだらと語るだけの話です。

 

 

御手洗翔太ってどんな子?って訊かれたら、普通はこんな感じになると思います。

 

いつも明るく元気でちょっと小生意気な、ダンスが得意な「国民的弟アイドル」

 

実際にプロフィールで出るのは大体こんな感じ。少なくともSideMの世界ではこんな感じがテンプレだと思う。961時代のことは知ってるけど詳しくないので比較外。

確かにいつだって元気でJupiterのムードメーカーなのは間違いない。小生意気なところはあっても嫌な感じではないし、甘え上手でどこか憎めない愛嬌があるのは弟系の所以だろう。得意のダンスは文句なし。

もちろんそれだけじゃないこともたくさんある。14歳という年齢に反してやたらしっかりしてるし、アニメの前日談「Episode of Jupiter」(以下EoJ)では冷静に状況を見定めて自らが取るべき行動をしていた一面を見せることもあった。かと思えば、めんどくさーいなんてすぐ寝たり、まるで行動が猫。やる気にムラがあるというか、気まぐれというか。たまに本人のやる気と合致すると、すごい力を発揮する。さすがは絶対王者Jupiterといったところか。

 

これが割と最近までわたしが思っていた「御手洗翔太」という男の子のイメージ。

14歳らしからぬ、Jupiterとしての強さを持つアイドル。

 

でも去年「Side Memories」(以下サイメモ)が実装されて、少し変わりました。

 

サイメモのネタバレになるんで全部は内容が言えないんですが、ダンスが得意な翔太がとある番組でダンスで負けてしまって……という、ありそうな内容でした。そんな内容ではあったんですけど、とにかく負けてからの翔太にすごい衝撃を受けました。

だってただの14歳の男の子だったんです。

芸能界にいるせいか、それとも上に姉がいるせいなのか、年齢不相応に大人びている彼がむき出しに落ち込んで、悩んで考えて、一心不乱に手を伸ばしてる姿がそこにありました。それがすごく衝撃的だった。確かにとあるイベントでやる気になった時に、難易度の高い技を習得するために何度も何度も練習してる姿はあったけれど、こんなにむき出しの感情を出してはいなかったと思うんです。

いつだって自信満々で、本心はイマイチ見せなくて、実は努力家だけどそういうところもあまり見せない、そんな彼。

でもそれって、「御手洗翔太」のほんの一面を見てただけだった。

その時思い出したのがアニメ9話、Jupiterの当番回のことでした。

冒頭バーで語り合うPに「Jupiterはまだこれからですよ」と静かに、だけどはっきりと言う北斗の姿を思い出したんです。

圧倒的な王者に見えるけど、3人中2人は未成年、それも思春期のまだ発展途上。唯一の成人である北斗だってまだ大人になったばかりの20歳。EoJで善澤さんが言ってた通り、過去に傷ついて自覚のないまま、潔癖に自分たちの世界を守ろうとしていたただの子供たちだったんですよね。

 

SideMを始めて間もない時、「JupiterのPになったはいいけど、果たして彼らにPは必要なんだろうか」と何度か思ったことがあります。手助けなんていらないくらい、強く自分自身の力で光り輝ける彼らに、どっちかと言ったら自分が連れて行こうっていうより、頂点までの道を連れてってあげるよって引っ張られてるような感じだった。

だけどサイメモを見て、強く輝く星だと思ってたものが、たった14歳の男の子が誰にも見つからないように必死に走っていた姿だったことを初めて知ったんです。

 

「いつだって ひたむきに 恐れずに 輝きたい」

 

あの「Planet Scape」での翔太のソロパートで歌った言葉がすごくすごく刺さりました。同時に彼がとても危うげで、それでいてとても愛おしく感じました。

 

 

結局のところ、「御手洗翔太」というアイドルのことは未だによくわからないです。

 

明るくて元気で、イタズラが好きで少し気まぐれで、甘え上手の憎めない弟のような、それでいてダンスが得意な絶対的王者のJupiterのメンバー。

実はメンバーの誰よりも冷静に物事を見られるし、さり気ない気配りもできるしっかり者。

だけど本当は、まだ自分の中に芽生えた感情がわからないような、発展途上で危うげな、「今」に一生懸命な男の子。

 

たぶんまだもっと見つけられてないものが翔太にはあるんだろうし、人によって見えるところも全然違うんだろうなと思う。

でもきっと、その「わからない」ところが「御手洗翔太」の全てなんだと思う。

だって彼はまだ14歳で、これからの未来の可能性は無限大にある。翔太は翔太自身が望むものに、何にだってなれる可能性を秘めた子だから。

 

きっとこれから、翔太にとってたくさんの楽しいことや大変なことが起きると思う。ウェディングイベントの時の彼の言葉を借りるなら、「元気な時も、しんどい時も」彼のPとしてこれからも見守ってあげられたらいいなと思います。

 

頂点まで引っ張る力はきっと君の力の方が相変わらず強いけど、君がしんどくなった時は引っ張るのを代わってあげるから、これからも君の素敵な未来を近くで見させてください。